聖女見習いとして神殿に勤めていた一人の少女が、禁術【魅了】を無効化にしたのでは?
その場で正気に戻った王太子が、この状況を素早く理解していた。
続いて、アゼリアも王太子の様子を見て、察知したようだ。
だが……ラヴィ本人も聖女見習いたちも何が起こったのかわかっていないようだった。
その場で王太子エリシオンが、慌てて身を取り繕うように、
『私の生涯の伴侶となる女性は、アゼリアただ一人だけだ。心配かけて済まなかった』
と、一言告げると、聖女見習いの少女たちは素直に歓喜していたのだから。
『あぁ、良かった!アゼリア様が悲しむことにならなくて!』
『王太子様、私たちの話を聞いてくださってありがとうございます!』
など、自分らの説得により、王太子が心を入れ替えたと信じている。
急に掌返したこの状況に、何の疑問を持たずに喜んでおり、その場は終了した。
「【魅了】を解いた自覚がなかったのか!何という……」
「まあ、それが後ほど功を奏したとなるのですが」
後日。アゼリアは先日の御礼も兼ねて、神殿を訪れる。
その際に、ラヴィを呼び出し、それとなく話を聞いてみたのだ。
何故、王太子の顔に手を翳したのか?
すると、ラヴィは疑いもせず素直にその時の状況を語ったのだった。



