ーーあと、あまり考えないようにしていた懸念が、ひとつ。 まさか、あのローズマリー。 一緒に階段から落ちた、うちの姉ちゃんじゃねえだろな。 (なーんてね?……わははは!) 一瞬、頭に過ぎるが、そこは笑って誤魔化そうかと思う。 だって、前世の姉のことなど、今更考えたってどうしようもないことだ。 今の自分は、大聖女の茶飲み友達。孤児のファビオ。 この世界の人間なのだから。 ……さあ、笑いが溢れる世界、人生を。