そして……侯爵令嬢の泣き落としにより次々と発生する断罪の火消しに回ったのが、王太子エリシオンの婚約者・アゼリア。
彼らが起こした断罪が発生しては、先頭に立って互いの仲裁に入り、未来の国母の肩書きと手腕で、侯爵令嬢や王太子らを説得していく。
お陰で、学園内の生徒への被害は落ち着いたもの……今度は彼らのアゼリアに対する陰性感情が高まっていた。
『おまえのような心汚い醜女が、未来の国母とは聞いて呆れる』
『悪女が王家を乗っ取るのか?おまえとは婚約破棄だ!』
もう、むちゃくちゃだ。
だが、アゼリアは耐えた。どんな理不尽な暴言を吐かれようとも、嫌がらせをされようとも。
他の生徒に火の粉が降り掛かるぐらいなら、強者の立場にある自分がそれを受ける。
それに……今まで築き上げた王太子との絆を信じたい。
だって、今の王太子らの状態はどう見ても病的だ。
これは何か裏があるのでは?という疑念の方が大きかった。
そんな中、事件が起こる。
学園を一般開放し、市民らが訪れる学園の文化祭で、事は起こった。
アゼリアを慕って文化祭に訪れた聖女見習いの娘らを前に、侯爵令嬢が聖女らを祀る神殿そのものを批判したのだ。



