秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない


「好感度もMAXで、みんなとうまく行ってたはずなのに!それなのに、急にエリシオンが私と距離を取るようになって……それから、次々と皆んな、急に私から離れていったのよ?イベントは全部パーフェクトにクリアしてるはずだったのに、こんなイベントなんて知らない!急にみんな私のところに来なくなっちゃったのよ?!こっちから行こうとしても、護衛が邪魔で近付けないし!何で急にバッドエンドになるのよ!……あんたが、エリシオン達に何かしたんでしょ?!こっちはわかってるのよ!」

「わ、私はっ……」

彼らの周りに彷徨いていたてんとう虫を追い払っただけです。

と、説明してもいいのだろうか。首を傾げてしまった。それにしても、捲し立てるローズマリー令嬢の勢いが半端ない。

「まだ領地に戻ったアルが残ってると思って行ったルビネスタ公爵家の夜会で、あんたと会った時にわかったわよ?……あんた、アルに何をしたのよ!急にアルが倒れるだなんて!エリシオン達にも同じようなことをしたんでしょ?!」

「それは……」

「何の魔術?!あんた何者?!隠しキャラ?裏ルート?!私、このゲーム何ターンもやってるけど、【秘匿されし聖女】なんてキャラも、ラヴェンダーなんて女も知らない!……あんた、誰よ!」