だが、友好的で気さくに話しかけてくるので、悪いヤツではないのだとも思うが。

何だかよくわからない男である。

「まあ、正式な俺の臣下ではない。この件が発生して、とある御方に相談した際、事件の早期解決のために内密にお借りしているだけだ」

「とある御方?」

「そこは秘密にさせてくれ。……しかし、あのファビオはなかなか斬新な思考の持ち主でな?面白いヤツだ。というのも、ファビオから新しい競技を提案されていてな?投げた球を木の棒で打って走るという団体競技なのだが、話を聞いてみると面白くて……」

どうやらファビオに刺激を受けて、大層気に入っているようだ。

とある御方からお借りしていると言っていたが、このままエリシオンの配下になるのでは。



……だなんて、エリシオンの楽しそうなファビオの話を聞き続けている場合ではない。

俺にはやる事がある。



「……エリシオン。ラヴィは今どこにいる」



話を無理矢理ぶった斬って変える。エリシオンも「あ、そうだな」と我に返った。



「ラヴィは今、神殿にいる」

「し、神殿?!何故そんなわかりやすいところに……」

「ラヴィは今、恐らく神託の儀の最中だ」

「あ……」