夢から醒めたとはいえ、タダでは済まないはず。最悪、勘当……。
「ああ、アゼリアの言葉を信じてくれて、皆堪えて待っていてくれた。おかげで皆婚約破棄も家を追い出されたヤツもいない」
「そうか、それは良かった……」
「勿論、皆で謝り倒したがな?」
「とはいえ、よく許してもらえたな?あんな裏切りも同然の不誠実な行為を」
すると、エリシオンは何故かふふんと笑う。
え?何?
「それはな?『絶対に許してもらえる効果的な謝罪の方法』を教わり、実行したからだ」
「は?謝罪の方法?」
「ああ。大いに反省していることが伝わる誠心誠意の土下座のようでな?これで我々が心の底から反省していると伝わったのだよ」
「土下座……」
王太子が土下座?……いや、アゼリアの前でだけ行ったと思いたい。例え重罪を犯したとはいえ、王族が簡単に土下座してはならないだろ。
しかも、本当に効果的に許してもらえたのか、エリシオンが得意気でいるのがなんだか憎たらしい。
アゼリアの『土下座はもうたくさん』は、この事だったのか?
効果的に許したというよりも、土下座で困って許さざるを得なかったのでは。



