何故?何故?と、後悔が止まらない。
考えれば考えるほど、過去の自分のやってきたことがわからない。理解不能で頭がおかしくなりそうだ。
この嫌な感覚を振り払うかのように、必死でラヴィの顔を思い浮かべていた。
確かにぬるま湯のようなローズの甘言は、心地が良かった。
劣等感があっても、自分は自分で。それでいい。何も変わる必要はない。
でも……違う。そうじゃない。
今ならわかる。
『……ならば、前を向いて今の自分に出来ることをした方が良いのでは?って』
『悔やみ続ける毎日より、自分の出来ることを考えて励む毎日の方が良いに決まってます!』
ぬるま湯に浸かっているだけでは、その場に留まるだけ。慰められ傷を舐めてもらっているだけでは、前には進めない。
自分自身の研鑽のためには、そんな劣等感をも吹き飛ばす、一歩踏み出す勇気が必要だったのだ。
ラヴィと出会うことにより、真新しい風が吹いて気が付かされた。
もっと早く、この事件以前にラヴィに出逢えていたら……とまで考えさせられるほど。



