ミモザ、話が飛躍しすぎてどこかへ飛んでいく勢いだ。

ラヴィに近付く努力?だから、事情があって父上が預かっているだけで、婚約者候補ではないというのに。

勘違いを正さなくてはと思いながらも……街で流行りのフィナンシェを買ってきてはラヴィに食べさせてみたりなんかする。

言われた通りにしてしまった。



だけど……ラヴィが隣にいる未来を想像する。

どんな時も前向いて進んでいく君の隣を歩けたのなら、自分も前に進むことが出来るのかもしれない。

現に、君といるときは、王都での出来事を思い返しては自身へ疑念を抱いたり、昔抱いていた劣等感、見目に対する嫌悪など考える暇がなかった。

劣等感だらけのそんな自分と、過去の過ちとも決別できる。

彼女となら、一緒に前を進んで歩いて行きたい。

……そんな気がした。





夜が明けて陽が昇っても、馬を走らせる。

また夜がやってきたが、馬の疲労を考えた時は宿を取って休むぐらいで、それ以外はずっと馬を駆けさせていた。

王都の聖騎士団で鍛錬していた時は、早馬の経験もある。休まず夜通し駆けるぐらい、なんて事ない。