それもこれも、私のこの正体不明の変な聖力が巻き起こしたこと。
例え、王太子様やアルフォード様らを救ったとはいえ、混乱の原因のひとつは私でもある。
……その混乱の原因を、これから暴く。
「……さ、大聖女様?私のことを教えて下さい。早く知りたいです」
「あらあら相変わらずせっかちなのですね。ならば、早速」
大聖女様は左手で私を抱き抱えながら、空いている右手で浮いた水晶に触れる。
「ーーこの世界を創造し、大地の民に加護を与えて下さる精霊王様。成人の齢に達したこの御子、ラヴェンダー・タンザナイトに祝福を……」
大聖女様が精霊王様への祝詞を述べると、反応して水晶が輝きを更に放つ。
それにつられるように、泉が波紋を作り出した。
「……さあ、ラヴィ」
「……はい」
一人でに動く、均等な波紋の中心に指先で触れ、そのまま指を沈めていく。
ちゃぷんと音を立てると共に、泉の光も強まっていく。光の範囲は広がって、私の視界や身体をどんどん包み込んでいく。
光は頭の中までも侵食していくような気がする。
そして、声が響いた。
《……【浄化】の聖女に、祝福を……》