「賭ける金もないなぁ。……あ、ミモザ、金持ってたろ?公爵様から預かった金」
「それはラヴィ様のための路銀です。誰がカードゲームの賭け金に使いますか。この人でなし。クソが」
「うひゃー!おこ!激おこ!」
そんなこんなで、何日もかかる王都への道中の馬車内では、明くる日も明くる日も賭け金無しのカードゲーム大会が行われていた。
カードゲームに疲れたら仮眠をとり、夜も更けて宿に到着したら食事をして眠り。
夜が明けたらまた出発してカードゲーム大会。また仮眠。お金が絡んでいないとはいえ、不健康で堕落した日々だ。
私以外は全員暗部の者である御一行だが、全然普通だ。ポンセさんもマクラさんも普通の人。
特に気にしないでいた、のだが……。
公爵邸を出てから数日。窓の外の景色が大自然となり、馬車は山道を走る。
ちょうど公爵領を出たであろうかという地点での出来事だった。
日も暮れて、カードゲーム疲れでウトウトしてしまった私。馬車の中でそのまま寝てしまった。
だが、目が覚めると。
(……あれ)



