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「じゃあ、道中は気をつけていけよ?俺もすぐに後を追うからな?」

「はい」

「護衛は心配ない。……あ、あと野宿はするな。ミモザにたんまりと路銀持たせてるからな?な?」

「はい」

「あと……あ、ああ、馬車酔いしたらすぐに馬車を停めてもらえ?」

「……はい」

「公爵様、どうでもいい部分でうるさくね?」

「ばっ!このファビオ!ラヴィの体調が第一だぞ!おまえも無茶な旅程立てるなよ!」

「はいはーい」



そうして、出立の時。

王都に向かうことになった私たちは、ルビネスタ公爵夫妻の見送りのもと、邸の裏口に停められた馬車に乗り込んでいた。

ファビオと……何故か、ミモザさんと。

サルビア様が、お供にミモザさんを連れて行けと私に命じたのだ。

そんな、王都への長い道のりを侍女とはいえ、子爵令嬢のミモザさんを付き合わせるわけには……。

そう遠慮したところ、「道のりは長いからこそ、侍女は必要でしょう」とサルビア様に諭された。

私、そこらの貴族令嬢とは違って、自分で身支度できますよ?化粧してドレス着るわけじゃないのに……。