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突如、事態が一転した。

招待もされていない夜会に侵入した自分のことを棚に上げて、私に危害を加えられた、私が危険であると、神殿の陰謀論まで語るローズマリー令嬢。

だが、上げた棚を突ついたのは、なんとルビネスタ公爵様。

都合の悪い部分を端折った、ローズマリー令嬢の口八丁ぶりを糾弾する事態となった。




「醜聞まみれだなんて!アルは私との真実の愛を貫いてくれただけです!なのに……」

「令嬢のその真実の愛とやらは、幾つあるのか?何もアルだけではないだろう?王太子殿下や、他の子息にも、と聞いているがな?……で、何?この廊下にいるってことは、休憩室に入ろうとでもしたのだろう?色事絡んだとんだ真実の愛だな?」

「そんな、ルビネスタ公爵、それは誤解ですわっ」

「どこら辺が誤解なんだ?何なら、招待もしていない夜会にそちらの令嬢が乗り込んできたと、トルコバス侯爵に抗議しても構わないんだぞ?」

「お父様にっ……」

その一言で、ローズマリー令嬢が黙り込んだ。

圧巻だ、公爵様。この口八丁の令嬢を黙らせるなんて。