……の、だが。



「……」



駆け寄ってきた私にアルフォード様は視線を向けるも、その視線は虚だった。

いつもとはあまりにも違う視線の冷たさに、私は少しばかりか怯んでしまう。

そして、こっちをただ虚に見つめるだけで、言葉も発さない。まるで認識されていないようだ。

二ヶ月も自宅に居候していた女を、まさか認識できないわけがないだろう。

……アルフォード様の様子が明らかにおかしい。




「あら?……貴女、は?」



すると、声を発したのはローズマリー令嬢だった。