そんなことはわかっちゃいる。話だけはいろいろ聞いていたけど、でも。
実際目撃してしまったら、恥ずかしいの何のじゃありませんか……。
あまりの恥ずかしさにモジモジしていると、ミモザさんもやってきた。
「何をご覧になってるのですか」
「おう、ミモザ。ラヴィが食い散らかした皿の片付け終わったか?」
「く、食い散らかしたって!ちゃんと綺麗に食べたよ!」
「終わりましたよ。それで」
「わはは。今、覗きをしとるのだよ。の・ぞ・き?」
「まあ」
窓の外ののバルコニーを風景を見て、話の流れがわかったらしい。
特に何の表情も変えないまま、私たちと同じくじっと窓の外にある夜会会場の様子を眺めていた。
「ぷぷ。ミモザ、あんたも好きねー?」
「いえ、好きではありませんが」
……そんなこんなで。
私とファビオにミモザさん。三人頭を並べて、庭師宿舎の二階から見える夜会会場のバルコニーの覗きをする。
という、なんらおかしい光景となってしまったのだった。
「……ひゃぁ!あれ、あれっ!キスだけじゃなく、胸っ!」
「おひょー!パイ揉み!わはは、ラヴィよ、慌てるでない。おまえさんもオトナになったらやるのだぞ」
「し、しない!」
「……ガラトス男爵子息とマテラ子爵令嬢ですか。メモしておいて奥様に報告しましょう」
ミモザさん、密告?!



