目を覚ますと隣にいる藤花も薄眼を開けた。

「俺、起きるよ。
 汗が気持ち悪いからシャワー浴びてくる。」

「ん………。」

 まだ寝ぼけている藤花が愛おしくて頬にキスを落とす。

「歯磨きもして、全快したらイチャついていい?」

 枕に顔を押し付けたまま左右に振られた頭にガッカリする。

 喧嘩中っていうのは続行中なんだな。

 話し合うにしてもとりあえずはシャワーだ。
 体中が汗臭いし、ずっと寝ていて口も風邪独特の口臭がする。

 こんな見せたくない姿を見て、藤花はどう思っただろうか。
 幻滅されるって考えよりも側にいて欲しいと思った俺はどれだけ弱っていたんだか………。

 熱いシャワーを浴びると汗が流れていって気持ちいい。

 そもそもこんなにも側にいたくて、片時も離れたくないなんて……。