「悪かったね。
 父がデリカシーのない発言をして。」

 可愛いとか、若いとか、まぁ、あとは孫が見たいとか。
 デリカシーが無いってほどじゃないんだけど。

「ううん。喜んでくださって良かったです。」

「誰を連れてったって喜ぶよ。
 俺はもう結婚しないって宣言してたからね。」

 誰でもいいような発言に些かムッとする。

「あー。またやったよな?俺。
 誰でもいいって言いたいんじゃない。
 俺を結婚する気にさせたっていう時点で合格というか、なんて言えば誤解されない?
 藤花は可愛いから、大歓迎に決まってるって、どうせ嘘っぽいとか言うんだろうな。」

 クスクス笑うと溜息を漏らした俊哉さんが頭に手を伸ばした。

「頼むよ。
 俺、藤花に拗ねられるの弱いんだ。
 泣かれても弱いし。」

「尻に敷かれそうですよ?」

「いいよ。大歓迎。」

「もう。」