愕然とした顔をする俊哉さんが頬を押さえて「お、は、、よう」とやっと目が覚めたらしかった。

「お酒……しばらく禁酒にしません?」

 頭を押さえる俊哉さんは話し合いができる雰囲気ではない。

 お酒、弱かったかなぁ。
 前も深酒したって言っていた時に私との関係で失敗してるのに……。

「前回と今回、私だからまだいいですけど………。」

 そこまで愚痴をこぼすと俊哉さんが顔を上げた。

「酔ってたって相手は間違えないよ。」

 本当かしら。
 前回のこと、根に持ってるんだけど。

 今回は確かにそんなことなかったけど、前回は付き合う前で、しかも元カノの名前を呼びながらキスをされた。

 名前を呼び間違えただけで求めていたのは藤花だって後から言い訳されたけど……。

 信じてていいのか不安になる。

 小さな不安が雪だるま式に増えていく自分に嫌気がさして起き上がる。

「どこへ?」

「朝食、お味噌汁くらいなら食べれます?」

「あぁ、うん。ありがとう。
 俺も起きるよ。」