白崎さんの溺愛

…………


「じゃあ、また明日ね」

「うん」



それから数分位歩いた先の、いつもの分かれ道。

もう少し一緒にいたいけれど、早くも別れの時間がやってきてしまって。

私がそう言って手を振れば、矢島くんも頷いて手を振り返してくれる。

そして、そのまま背を向けようとすると…



「…なあ」

「うん?」



その時。

不意に背後から矢島くんに呼び止められて、私は振り向いた。

なに?と。

そして振り向いた瞬間、矢島くんが少し躊躇うような顔をして…だけど意を決したように私に言った。



「白崎はさ、何で俺のこと…そうやって好きって言ってくれるの」

「え、」

「だって、普通に考えて俺と白崎って、真逆じゃん。ハッキリ言って、俺は白崎と違って何も出来ない奴だよ。成績だって、全体的に悪いし」

「…」

「なのに、何で今日とかもそうやって…ずっと待っていてくれんの」



矢島くんはそう言うと、少しビックリする私をよそに、普段とは少し違った真剣な顔をする。

…なんか、心なしか、いつもとはちょっと違う雰囲気…?

私はそんな矢島くんを疑問に思いながらも、やがて言った。