白崎さんの溺愛

私と矢島くんが手を繋ぐと、それを見ていた矢島くんの友達たちからは冷やかされたけれど、私はそれを気にせずに矢島くんに寄り添ってみる。

…ああ、今まで何回も「もうダメかも」って思ってたけど、私いますっごく幸せ。

何ならこのまま2人でどこかに行きたい気分。

私はそう思いながら、なんとなく夜空を眺めて…言った。



「あ、矢島くん星が綺麗だよ」

「いや、めっちゃ曇ってるし」

「日曜のデート楽しみだね」

「だから行かないって」



…けち。

私は矢島くんの言葉に隣で口を膨らませるけれど、でも、そう言いながらも矢島くんは繋いだ手を離そうとしないから。

思わず、期待する。

まあ、さすがに引っ付きすぎたら離されるけど。



「…矢島くんは私の彼氏になればいいと思う」

「や、だから、俺マジで恋愛とかそういう類、苦手だから」

「でも、私は矢島くんのこと大好きだよ」

「まあそれは………ありがと」

「!」



矢島くんは私の言葉に呟くようにそう言うと、心なしか私の方を見ないようにする。

薄暗いからはっきりとはわからないけど、矢島くんの耳が、赤くなってる気がして…。

このまま今すぐ、独り占めしたいのに…それでも出来ないこのもどかしさ。

…やっぱり、手は、繋いだまま…なのに。

何でだろ…矢島くん。

絶対これ、相思相愛じゃんって…思うのに。