白崎さんの溺愛

そう言って、「合コンでもしてみる?」と。

スマホを取り出すけれど…



「…やだ。私は誰が何と言おうと矢島くんがいい」

「…」

「矢島くんじゃなきゃやだ」

「…、」



そう言って、顔を伏せる。

…こんな言葉ももう、何回咲良に言ったかな。

確かに傍から見ると、「もう諦めなよ」ってレベルなんだろうけど…。



「聞いて。矢島くんって、優しいんだよ、やっぱ」

「…うん」

「それにね、普段はああ見えて、でも実は真面目なところもあるの」

「…うん」

「誘ったカフェも、何だかんだでちゃんと来てくれる。今まで何回かデートに誘った時だってそうだった。口では嫌がってたけど、何だかんだで来てくれた。
行かなかったらずっと待ってそうだからって、私が」

「まあそれは…なんかわかる気もするけれども(矢島くんの気持ちが)」



だから、まだ頑張るもん。

それに、私のこと好きにさせて見せるって宣言までしたわけだし。

私がそう言うと、やがて咲良は「強いね」と笑った。



「…乃愛がそこまで言うなら私ももうちょっと見守るよ」

「うん、お願い」



私が咲良の言葉にそう言うと、やがて朝礼開始のチャイムが鳴った。