キスされそうな距離まで顔を近づけられ、もう無理だ…と固く目をつぶった時。 「────俺の彼女に触んないでくれる?」 そんな声が聞こえたと同時に、ぐいっと腰を引き寄せられる。 え… ふわりと抱き寄せられ、甘い香りが鼻をくすぐる。 この声と、この香り…──── 「あお、きく…ん」 あたしを抱きしめたのは、青木くんだった。 「ったく、だから言ったのに…気をつけろって」 そんな声が耳元で聞え振り返ると、少し呆れた顔をしながらでも心配そうな瞳であたしを見つめる青木くんがいた。