頼む、頼むから早くどっか行ってくれ!! 心の中でそう叫ぶ。 「あれ、ねえ芽依。なんか王子こっち来るよ!!」 あたしのそんな思いも届かず コツリ、とあたし達の前で長い脚が止まる。 「────おはよ、藤井さん」 にっこりと張りつけた笑みで、そうあたしの名前を呼んだ。 「…お、おはようございます」 あぁ、最悪だ。 今すぐ逃げ出したい… 隣の美玖を見れば、唖然としてあたし達を見ていた。 そりゃそうだ。昨日まで全く関わりのなかったあたし達が急に挨拶を交わしたら驚くに決まってる。