「はぁはぁはぁ......」 タッタッタッ 後ろから迫る獣の足音。 ドテン ずっと逃げ続けていた疲れから、足がもつれ転けてしまった。 「いや!!来ないで!!!!」 荒々しい、獣の息遣いが柚の恐怖を募らせた。 「グルルル...ガゥっ」 「いやぁぁぁぁああああ!!!」 柚の悲痛な叫び声が山の中に響いた。 「どう...し...て?わたし...なの...?う...そつ...き...。かわ...って...よ。」 それが、柚の最後の言葉だった。