早く彼に会う為に、早く良くならなきゃ。



「じゃあ俺は仕事行くかな〜
チビちゃんまた夕方くるよ♪」

「毎日すみません......」

「なぁーにー改まって〜♪
俺が会いたいから会いにきっ」



喋っている途中のタイガさんを玲花さんが

後ろからドーンと押す。



「じゃあ、
私またゆいちゃんのお洋服洗濯してくるね♪

1人になっちゃうから何かあったら
ナースさん呼ぶのよ?」

「ちょっと姉さん、僕まだ喋っ」



タイガさんはまた遮られ、しくしく泣きながら

玲花さんと一緒に去って行った。



嵐が去った後の様に、室内はシンと静まる。

..........歩いてみよう。



ベッドの横から足をそっと出す。

ゆっくり身体を持ち上げて立ち上がる。

点滴が取れたから、腕が自由で開放感がある。