「小町さん、お世話になりました!また会議や対策本部の活動でお会いしましょう!」

「小町〜!また遊びに来るからね!大好き!」

リリーとジャックが小町と握手を交わしたり、ハグをしたりして船に乗っていく。

「リーバスさん、休暇で来ていただきましたのに、色々あって申し訳ありませんでした。…楽しめましたでしょうか?」

小町が上目遣いで俺を見る。俺は口を開いた。

「小町が謝る必要はない。色々な体験ができてとても貴重だった。……ありがとう」

俺は手を差し出す。小町も自分の手を差し出した。そして、固い握手を交わす。

「また会議でお世話になります」

「ああ、そうだな」

船がゆっくりと出発する。俺たちは、三人並んでずっと桜花国の町を見つめていた。

町はだんだん小さくなり、見えなくなる。

少し寂しい、そう思った刹那、リリーが「ああ〜!!」と大声を出した。

俺とジャックは驚き、「うわっ!!」と声を出してしまった。

「な、何だ?」

「どうかしましたか?」

俺とジャックが同時に訊ねる。リリーの顔は真っ青だ。

「小町が旅館出る前に渡してくれたおまんじゅう、忘れちゃった〜!!」

「馬鹿者!確認をしろとあれほど…」

海の上で説教が始まったのは、言うまでもない。