意地でも言わないんだから。

口を真一文字にして黙りを決め込んだ

「お前、ガキかよ」

私の顔を覗き込んで、勝手に笑い出す
何よ。

絶対言ってあげないんだから!

「なぁ、栞」
「へっ?なっ、なによ」

急に名前呼んだりしないでよ
上擦ったじゃない。またからかわれるのがオチだもの

けど、紡ぎだされた言葉は意外なもので、、、

「初めて会ったときのこと覚えてるか?」
「当たり前じゃない。ワインバーで無愛想な男が
ひたすらワイン飲んでるんだもの、可笑しかったわ」