クール系幼なじみの溺愛暴走警報



「そろそろ戻ろうか」


スマホで時間を確認した青谷くんがそう言った。
私も同じようにして確認すると、結構時間が経っていて驚く。



「ごめんね、巻き込んじゃって」


せっかくの昼休みなのに、青谷くんの時間を無駄にさせてしまった。


それにまだ青谷くんもお弁当を食べていないだろうから、余計に申し訳ない。



「桜が謝る必要ないよ。
実はというと、今日腹減りすぎて休み時間にお弁当食べたんだ」


「休み時間に?」
「そう。だから今日の昼休み長いなって思ってたところだから、逆に助けられた感じだな」


爽やかに笑う青谷くんにつられて、私も笑顔になる。


でも多分、青谷くんは嘘をついている。
だって休み時間にお弁当を食べていたら目立って目に入るはずなのに、そんなことはなかった。


それに、青谷くんが三時間目の後に先生と教卓の前で何やら話しているのも見た。