「ははっ、そりゃそんな反応になるよな」
驚く私を見て、青谷くんは小さく笑う。
「ど、どうして嘘なんて……」
「ごめんな?桜が教室で困ってそうだったから、適当に嘘ついた」
「えっ……」
じゃあ、あれは私を助けるためだけについてくれた嘘だったの?
途端に申し訳ない気持ちが湧いてくる。
「ご、ごめんね……そんなこと知らなくて、それに私のせいでここまでさせちゃって……」
「そんなの桜が謝る必要ないから。俺が勝手にやっただけ。な?」
だけど青谷くんは、そんな私に優しく笑いかけてくれる。
青谷くんは本当に優しい人だな。
今だって青谷くんに助けられている。
「……ありがとう」
私がまたお礼を言うと、青谷くんは目を細めて笑った。
「どういたしまして。
じゃあ、もう少し時間潰してから戻るか」
「うんっ!」
それから私たちは、今日の授業であったことや、面白かった先生の話とかを思い返して話していた。
フレンドリーな青谷くんはたくさん話をしてくれて、沈黙なんて流れずに私自身も楽しかった。



