「悪いけど、俺たち先生に呼び出されてるから急がないといけないんだ」
「えっ、そうなのか?」
「なんだ、二人がいい感じってわけでもねぇんだ」
いい感じ?
男の子二人が何を言いたいのかわからなかったけれど、面白くなさそうな顔をしていた。
「すぐそういう考えするなよな。
俺たち同じ委員会ってだけだから。
じゃあな。桜、行こう」
「う、うん」
本当に委員会の相手が青谷くんで良かった。
今だって困ってる私を助けてくれたから。
そして青谷くんが先に歩き出し、私も後ろについていく。
「大丈夫だった?」
「えっ?」
「さっき、怖がってたけど」
少し歩くと、青谷くんが心配そうに私を見つめてきた。
本当に優しい人だなって思いながら、私は笑顔を浮かべる。
「うん、もう大丈夫。
助けてくれてありがとう」
私は青谷くんに対して、素直な気持ちを口にした。



