「そっか、良かった」
「良かった?」
「いや、なんでもな……」
安心したように青谷くんが話すから、どうしてか理由を聞く。
「なんだよー!付き合ってねぇんだって!」
「ようやくデキたと思ったのにな!」
だけど青谷くんが言い終える前に、また男の子二人が大きな声を上げた。
そのため、またびっくりして固まってしまう私。
「お前ら学習能力なさすぎ……」
呆れたように話す青谷くんは、もうさっきのような安心した様子ではなかった。
だから逆に聞きそびれてしまう。
「ここまできたら柊が可哀想だな」
「だよな、朝のことは事実なんだろ?」
どうして宏が可哀想なのか、そしてここまで追求してくるのかわからなくて、不思議でたまらなかった。



