だけど私はこの沈黙を破るよりも、三人になんて説明すればいいのかで悩んでいた。
どうしよう。
というか、朝のことが広まってるって本当?
それは何より一大事で、さらに解決策は何かないかと考えていると……。
「あれ!何お前ら、堂々と浮気!?」
「うわ、やべぇな!」
廊下の向かい側からやってきた、同じクラスの男の子二人が私たちを見て声を上げた。
それも結構なボリューム音で、思わず肩がビクッと震える。
「青谷が桜を狙ってる感じ?」
「そもそも桜と柊っていつ付き合ったんだよ!?」
そのうちの一人が、今度は私に話しかけてきた。
話し方に勢いがあって、どこか怖い。
実は私、きつい言い方というか、男勝りな口調が苦手だったりする。
昔からそういう口調の人に対して怖がってしまい、うまく思いを伝えられなくなるのだ。
だから今回も同じで、うまく言葉にできない。
付き合ってないって言えばいいのに、男の子の勢いに圧倒されている。



