「どうして私が怖がるの?」
「……美羽は自分のこと全然わかってない」
「えっ?」
「もうこの話は終わり。ほかに楽しい話をしよう」
「楽しい話?」
さらっと宏に話を変えられ、さっきの言葉の意味が聞けなくなってしまう。
「そうだなぁ、昨日の話とか?」
「昨日……」
「美羽、俺に抱きしめられた後すぐに寝たんだよ」
突然昨日の話をされたけど、やっぱり私は昨日、宏に抱きしめられながら眠ってしまったらしい。
「でも目が覚めたら自分のベッドにいたよ?」
「俺が運んだ」
「えっ……」
「美羽って危機感とかないの?本当に危ない」
なんだろう。
宏が何やら嬉しそうに笑っているように見えるのは。
嫌な予感しかしない。



