「私、睨んでたもん」
「今のが?なおさら危ないね」
「今のがって……」
ひどい。
私は睨んでたっていうのに、そんな言い方されるなんて。
それになおさら危ないって何?
宏が何を言いたいのかわからない。
「美羽、今のも俺の前でしかしたらダメだよ?」
「えっ……?宏、睨んで欲しいの?」
宏の衝撃発言に、さすがの私も少し引いてしまう。
まさか宏って、M……なわけないよね。
「何誤解してるの。
美羽は睨むのと上目遣い、はき違えてる」
「はき違えてる?」
もう少しわかりやすく説明してほしいけど、宏はため息をつくだけ。
「何もわかってないから危ない。
美羽の上目遣い、可愛すぎてダメ」
「だから私は睨んでて……」
「美羽なんかに睨まれても怖くないしむしろ理性飛ぶ。ある意味怖い」
ある意味怖いって……あ、もしかして。
「宏の強がりだ」
「は?」
そういうことか。
本当は怖かったのに、強がってただけなんだ。
つまり効果はあったってこと。



