唇から伝わる温もりに、ドキドキと鼓動が速くなる。
昨日はキスされても驚くことしかできなくて、こんな感情全く抱かなかったのに。
どうして今はこんなにもドキドキするんだろう。
「……美羽」
宏が私の名前を甘く呼ぶ。
見上げれば、宏と視線が絡み合った。
その瞳はどこか熱がこもっているように見える。
「ひろ……」
「ダメだ、本気でやばい」
宏が余裕のない表情をしたかと思うと、私をぎゅっと抱きしめた。
「宏……?」
「今、美羽見たらダメだ」
「どうして?」
「理性が…保てなくなる」
理性?
理性が保てなくなるって、どういうことだろう。
意味はわからなかったけど、大人しく宏に体を預ける。



