「いつもじゃ、ない……けど」
「美羽、それ勘違いだよ」
「えっ……？」
宏は私の言葉を聞いて、安心したような表情をしていた。
「勘違い？」
「うん、それは青谷のことを好きだって言わない」
「どうして？」
「その感情は持続的じゃなくて一時的なものだから」
持続的じゃなくて一時的なもの……？
どうしても私の頭じゃ理解しがたいその言葉。
「わからない？」
「うん、私には難しい……」
「じゃあ試そっか」
試す？
どういうことか聞き返そうとしたら、その前に腰にまわされていた手で肩を抱き寄せられた。
「宏……？」
「美羽」
「……ひゃっ」
突然耳元で名前を囁かれ、肩がビクッと飛び跳ねた。
思わず体に力が入る。
な、何……？
宏の息がかかって耳がくすぐったい。
