クール系幼なじみの溺愛暴走警報




「宏、やっぱりおかしい……怖いよ」


俯いて、ぎゅっと制服のスカートを握る。
宏の方を向くことができなかった。


「美羽……ごめん、怖がらないで。
俺は美羽と話がしたいだけだから」



すると宏の声が耳に届いた。
さっきとは違う宏の優しい声に、安心感を覚える。


「お願い、美羽。
俺に教えて?」


宏が私の顔を覗き込む。
その表情は切なげだった。



「……友達が、ドキドキしたり、苦しくなったりしたらそれは恋だって言われて……それで、青谷くんといる時にドキドキした、から……」


そんな宏の表情を見ていると、私まで悲しい気持ちになって、気づけば口を開いて話していた。



「……それはいつも?」
「えっ……?」
「いつも、青谷といるとドキドキしたり苦しくなったりする?」



いつも……ではなかった。
青谷くんに抱きとめられてから、ドキドキしたのだ。