思わず宏の方を向くけど、彼は平然としていた。
その表情から、冗談か本気かなんて私にはわからない。



「それ、本当なの?」



「それ以外何があるの?でも今日からは俺が美羽を起こしに行こうと思って。

今までたくさん迷惑かけてたからね、これからは俺が美羽を甘やかしてあげる」



そう言って、壁際にいる私に宏は近づいてきた。
その瞬間、昨日のことが一気に思い出される。



「い、いい…!甘やかすなんていいから!」
「俺がそうするって決めたから決定事項」


近づいてくる宏に抵抗しようと、必死で壁に背中をつけるけど、あっという間に引き剥がされてしまう。


さらには背中に手をまわされ、宏の腕の中にすっぽりと体が収まってしまった。