「な、な、なんで宏がここに…!?」
これも夢!?
夢ならどうか覚めてほしい。
「なんでって…美羽を起こしに」
「でもまだアラーム鳴ってない!」
「うん、だからまだ寝てていいよ?」
宏が満面の笑みを浮かべた。
その笑みには何やら悪巧みしてそうな感情が含まれている。
「…もう起きる」
「それだと早すぎるよ。ほら、まだあと三十分も寝れる」
逆に言えば、宏は私の起きる三十分以上前からここに来ているということだ。
「いつも寝坊ばっかしてるのに…どうして今日に限って早いの?」
それが不思議でたまらない。
もしかして起きる時間、間違えてる?
不安になってスマホで時間を確認するけど、確かに起床時間より三十分早かった。
「昨日言ったはずだけど、美羽に構ってもらうためわざと寝坊してたんだよ、俺」
「えっ…?」
今、宏はなんて?
すごい衝撃的なこと、言わなかった?