「これが本当の俺だよ。
ずっと隠してた」
「嘘…絶対嘘だ」
「本当だよ。美羽のそばにいれるなら、俺はなんだってできた。甘えん坊でも何にでもなれた」
違う、そんなわけない。
だって宏が…自分を偽っていただなんて。
信じられるわけがなかった。
「美羽、諦めて。
もうこれからは手加減しない」
「な、何言って…んっ…」
信じたくない。
その思いで口を開いたら、言い終える前に唇を塞がれてしまった。
私、今…宏にキス、されてる…?
どうして?
どうしてこんなことするの?
じわっと涙が目に浮かぶ。
嫌だ、夢なら覚めてほしい。
「……嫌い…今の宏なんか大嫌い…」
唇を離されると、涙がポロポロとこぼれ落ちた。
いくつもの涙が頬を伝う。



