「ご、ごめ…!」
そして慌てて手を離す。
その様子からしてわざとじゃないことはわかった…けど。
じゃあどうして宏はこんなことしたの?
「美羽、ごめん…痛かったよね」
申し訳なさそうにする宏は、いつもの彼に戻っていて私は安心した。
「ううん、気にしないで?
だけど何かあったの?」
宏がいつもと様子が違うのは、きっと何かあるからだ。
それを私が聞いてあげないと。
もしかしたら宏は苦しんでいるのかもしれない。
少しの沈黙が流れた後。
宏の手がスッと伸びてきて、今度は私の頬に触れた。
「……宏?」
「美羽は、俺のことどう思ってる?」
またその瞳は切なげに揺らいでいる。
見ている私も苦しくなるくらい。



