「食べる」
「わかった、宏の好きなもの作ってあげるね」
「嬉しい…けど、まず美羽抱きしめる」
「えー?仕方ないなぁ」
やっぱり宏はとことん甘えたがりだ。
それがまた可愛くて、私も許してしまうのだけど。
「美羽がいなくて寂しかった」
「そんなに?もう高校生なんだよ?」
「それでも美羽がいないと無理」
今日はやけに素直で、可愛いことを言う宏。
宏がソファに座る私にぎゅっと抱きついてきて、そんな彼の頭を撫でる。
一度も染めたことのない黒い髪、本当に綺麗だな。
確か青谷くんの髪は茶色がかってよね。
爽やかな青谷くんにぴったりの髪色だ。
青谷くんは一見少しチャラそうだけど、全然チャラくなくてむしろ真面目……って!
私また青谷くんのこと考えてる!
途端に恥ずかしくなって、つい顔が熱くなってしまう。



