ーーー「桜!」



休み時間。
次の授業の準備をしていたら、誰かに声をかけられる。



声をした方を向けば、そこには青谷 康生(あおや こうせい)くんが私を見て爽やかな笑顔を浮かべていた。



青谷くんはフレンドリーで、宏と肩を並べる程のイケメンだ。



宏は遠くから見つめられる感じだけど、青谷くんの周りにはいつも人が集まっている。



クールなイケメンの宏と、爽やかで明るい青谷くんは、側から見れば宏の方が大人びて見えて正反対。



だけど私は甘えん坊の宏を知っているから、青谷くんの方が何倍も大人に見えた。



「青谷くん、どうしたの?」
「なんか今日、保健委員会の集まりあるんだって」



そう。


実は私と青谷くんは、誰も立候補がおらずクジになって一緒の委員会になったのだ。