さらにはほんのり赤く染まっていく。
「宏、頬赤いよ?
しんどいの…?」
逆に心配になってしまった。
「ううん、しんどくない、けど…美羽のせい。
美羽が悪い、この無自覚」
宏がじっと睨みつけてくるけど、頬が赤らめているから怖く感じない。
なんだか小さな子供に見えて可愛いとさえ思ってしまう。
しんどいわけじゃなさそうだし、安心だ。
「なんだか宏、可愛い」
「…うるさい」
「拗ねちゃった」
「……もう行く」
本当に宏が拗ねてしまい、私の手を掴んで離す。
そのまま宏が私の腕を引いて歩き出してしまった。
もしかして宏、照れてるのかな?
実はあまり触れられるのに慣れてない、とか?
確かにいつも宏からで、私から触れることは滅多にない。
これはもしかして、新たなる発見かも。
宏のさっきの反応が新鮮で、なんだか笑みがこぼれてしまった。



