「宏、あんまり焦り過ぎたら忘れ物しちゃうよ?」
「大丈夫、ほら美羽も早く」
「わっ…」
そしたら突然腕を引かれ、バランスを崩してしまう。
転ぶ…!と思っていたら、ふわりと何かに包まれた。
「ごめん、乱暴にし過ぎた」
顔を上げれば至近距離に宏の整った顔があって、彼に抱きとめられたのだとわかった。
「ううん、大丈夫だよ」
本当に綺麗な顔だなぁ。
こんな完璧な人が私の幼なじみだなんて。
思わず手を伸ばし、宏の頬に触れてみる。
うわぁ、肌も綺麗だし触り心地が最高だ。
これはハマってしまいそう。
この歳になって新たな発見かもしれない。
「……美羽…」
すると宏の頬がだんだんと熱くなっていくのがわかった。