「美羽、タチ悪い」
「どうして宏は隠すようなことしたの?」
「別にどうしようが俺の勝手。それになに話逸らしてるの?」
宏は、そう言いながら自分も話を逸らしている。
ここで引き下がれない。
「ちゃんと宏のことを知りたい。
私の知らない宏のことも全部、私は知りたいの……」
じっと宏を見つめていたら、じわりと涙が浮かぶ。
私の知らない宏がいるだなんて嫌だ。
全部知りたい。
「……何それ」
「宏……」
「そういうこと言って、怖いくせに。きつい言い方する男が苦手なことくらい、小さい頃から知ってる」
やっぱり私のためだった。
宏は私のために、本当の自分を隠していたんだ。
「昔から男に対してビクビクして、俺から離れようとしなくて。
俺の前だけでは安心したような顔してた。
それなら俺はずっと、美羽にとって安心できる存在であろうと思った」
初めて聞く宏の本音。
小さい頃からずっと、宏は私のことを考えてくれていた。



