「美羽の作ったお弁当食べたい」
「私の作ったやつ?」
「そう、美羽の手作り」
「今日、お父さんもお母さんも帰り遅いから夜ご飯自分で作って食べるけど、宏も来る?」
宏のお母さんも帰りが遅い時は、一緒に食べることもあるし。
「……行く」
「わかった、じゃあ宏の分も作るね」
さっきよりもさらに目を輝かせている。
そんな宏を見て、周りも騒ぎ出した。
そりゃ普段クールな宏がこんな可愛い表情するもんな。
みんな宏のギャップにやられてしまうだろう。
「ありがとう。
楽しみだな、美羽の料理好きだから」
そんな風に褒められるとすごく嬉しい。
思わず照れてしまう。
「じゃあ宏の好きなもの作ってあげないとね」
「美羽の料理全部好きだからなんでもいい」
ほら、またさらっと褒める。