「お前ら、美羽に何かしたら俺が許さねぇから」
その場から動けないでいると、宏が突然こちらを向いた。
慌てて体を隠すけれど、多分こっちに来るのだ。
どうしよう……そう悩んでいると、青谷くんが私の手を引いた。
「隠れた……方がいいよね。
倉庫に戻ろう」
青谷くんはそう言って私の手を引き、倉庫の後ろへと誘導した。
音を立てないようにして隠れる中、足音がだんだんと近づいてきた。
無意識に息を止め、足音が遠ざかるのを待った。
幸い、校舎は倉庫の反対側にあるため、こちらに来ることはなく足音は遠ざかっていった。
「なんで柊くんはあんな女の味方ばっかするわけ!?」
「意味わかんない!」
「もうこうなったらできるわけないじゃない!」
それから少しして、女の子たちも怒りながら校舎へと戻って行った。



