明らかに宏が怒っていて、三人の女の子は怯えている。
一体何があったの……?
「べ、別にあの子が調子に乗ってるから、痛めつけてやろうかなって話してただけ!」
あの子……?
何故だか嫌な予感がした。
女の子たちは宏に対して怖がりながらも、彼の方をきつく睨みつけている。
「……お前らおかしいんじゃねぇの?
そんなくだらねぇ理由で、美羽に怪我させようと思ってんのかよ」
「別に怪我させようとは思ってない。
ちょっとバスケ中に足引っ掛けようと思っただけ!」
「あの子は鈍くさいだろうし勝手に怪我するでしょって、笑い話にしてただけじゃない。全部冗談だから」
ドクンと、心臓が嫌な音を立てた。
宏は今、確かに私の名前を口にした。
つまり、“あの子”とは……私のことを言っていたんだ。



