クール系幼なじみの溺愛暴走警報



なんか、嫌だな。
宏の人気がまた上がっちゃう。


もともとクールで素っ気ない宏を、遠くから見つめる女の子は多い。

今日でその事実をさらに思い知らされた。


「美羽、あんたの彼氏さんすっごい目立ってるじゃん!」
「うん……」


どうしよう。
宏は頑張っているのに、応援できない。

目立ってほしくない、だなんて思ってしまう自分は最低だ。


「美羽?どうしたのあんた、暗い顔して」
「う、ううん……なんでもないよ!」


莉子ちゃんに声をかけられ、慌てて笑顔を作る。


本当はその場から逃げ出したくなったけれど、その気持ちを押し殺して宏に視線を向ける。


こっちを見てくれないかなって思っていたからだろうか。

宏がふとこちらを向いて、目が合った。