クール系幼なじみの溺愛暴走警報



もちろん私はなすすべもなく、グラウンドにやってきた。


「ちょ、またシュート決めたよ!」
「かっこいい!柊くん頑張ってぇ!」
「青谷くんもすごいね!」


なんということだろう。
グラウンドに出るなり、真っ先に目に映ったのは女の子の集団だった。



同じクラスの子ならまだしも、他クラスの子たちも宏と青谷くんを応援しているという衝撃的事実に言葉を隠せない。

圧倒的に去年よりも人気がすごかった。


少し歩き、女の子の輪から少し外れた場所でグラウンドに視線をやる。

すると真っ先に宏の姿が目に入った。


真剣な表情をしてプレーをしている宏は、誰よりも目立っていた。


やっぱりサッカーが得意だから、マークされている。
それも相手は現役のサッカー部だったはず。


それでも宏は相手の隙をついてパスをもらい、ドリブルでかわしていた。



それによって周りの女の子たちが悲鳴をあげて。
かっこいいと騒いでいた。


もちろん、かっこいい。
だけど他の女の子たちが騒いでいるのをみて……なんだかモヤっとした。